Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1996-2012年の間に,当施設で経験した皮膚筋炎患者74例を対象とした。抗Jo-1抗体,抗EJ抗体,抗PL-7抗体,抗PL-12抗体,抗OJ抗体,抗SRP抗体,抗Mi-2抗体,抗MDA5抗体,抗p155/140抗体,抗MJ抗体,抗SAE抗体の標準血清と比較検討を行いながら免疫沈降法にて対応抗原の同定を行った。74例中56例が上記の抗体に該当し,主に抗Mi-2抗体,抗MDA5抗体,抗p155/140抗体,抗ARS抗体の4群に分類された。次にこれらのグループ間で背景,臨床症状,皮疹,悪性腫瘍の合併,間質性肺炎,予後や治療反応性について比較検討を行ったが,背景,皮疹,治療反応性,臨床症状については4群間で有意差はみられなかったが,悪性腫瘍の合併,予後(死亡率)は抗p155/140抗体を有する群で有意差があった。さらに抗p155/140抗体陽性群において悪性腫瘍合併群と非合併群の2群に分け,臨床症状,皮疹,悪性腫瘍の合併,間質性肺炎,予後や治療反応性について同様に比較検討した。悪性腫瘍合併群の方が,高齢で,罹病期間が短く,生存率が低いことが分かった。最後に,特異抗体の検出できなかった18例において,免疫沈降法を再度行い共通するバンドがあるかどうかを検討したが,今回の実験では確認できなかった。