Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2015: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
抗原特異的IgE存在下に抗原を反復投与すると、肉眼的には孤立性の丘疹が出現し、組織学的には、表皮の不規則な肥厚と真皮の細胞浸潤を伴っており、これはヒトにおける痒疹と類似していた。さらに、この病変内には好塩基球が多数浸潤していた。 この病変はそう痒を伴い、病変部には表皮内神経伸張が確認された。この制御因子として、病変部でのnerve growth factorやそう痒惹起サイトカインIL-31の産生増強が確認された。また、免疫組織学的に、表皮細胞には神経伸長因子であるnerve growth factorやamphiregulinの発現が増強し、神経反発因子であるsemaphorin 3Aの発現が低下していた。さらに、病変部ではIL-4,13,17,22といった、Th2型、Th17型サイトカインの産生も増強していた。これらの特徴はヒトの痒疹病変をよく模倣しており、痒疹のモデルマウスを樹立できた、と判断した。 また、このモデルマウスに好塩基球除去抗体を投与すると、病変部の好塩基球が消失するとともに、病変も減弱した。すなわち、この病変は好塩基球依存性である、といえる。 Th2サイトカインの増強が本モデルマウスで見られたことから、Th2を阻害すると、病変も減弱することが考えられた。そこで、Th2サイトカインのシグナル伝達に必須であるSTAT6を欠損させたマウスに痒疹類似病変を惹起すると、この病変は予想に反して増強した。病変部ではM2マクロファージマーカーであるCD163、CD206陽性細胞がSTAT6欠損マウスでは減弱しており、M2マクロファージ遺伝子マーカーであるArg1のmRNA発現も減弱していた。単球は好塩基球由来のIL-4によりM2マクロファージに分化し抗炎症作用を発現する、とされており、STAT6阻害によりM2マクロファージ分化が阻害され、病変が悪化する機序が考えられた。
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