Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成25年度研究計画では、ラット窒息モデルを用いて窒息による心肺停止に対し、アドレナリンを用いたCPRを施行し、循環再開後に生理食塩水あるいはランジオロールを持続投与してアドレナリンによる肺水腫や心筋障害の程度の評価を行う予定であった。浜松医科大学動物実験倫理委員会に本実験に関する内容で動物実験の申請を行い承認を得た。実験承認後、実験に必要な薬液を購入、予定された実験を開始した。肺水腫、心筋梗塞のコントロール対象として、窒息させずに肺乾湿重量比(肺水腫の指標)の測定、トロポニンI(心筋障害の指標)の測定を3匹のラットに行った。3匹のうち1匹は実験操作の問題から正確なデータを得ることはできなかった。2匹のラットの肺乾湿重量比は4.13倍、4.61倍であった。(以前に申請者が報告した論文に合致するデータであった)トロポニンI測定用のサンプルをそれぞれ1つずつ、計2つ採取した。これら3匹以降も順次実験を遂行していく予定であった。これらの実験を行った後に、申請者が人事異動の可能性があり、実験遂行が困難になると判明した。このため、データが完成する見込みが無くなったことに加え、見込みが無いのに動物実験を継続するのは倫理的に問題があると判断し、実験を中止した。貴重な科学研究費をこれ以上消費しないために、トロポニンIのサンプルは外注検査には出していない。以上の内容の研究であり、学会発表、論文掲載などの実験結果の公表は不可能である。