Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
メニエール病の病理組織学的特徴は内リンパ水腫であり、内リンパ液の産生過剰がその原因のひとつに挙げられる。内リンパ液の産生部位は血管条であるため、血管条の障害がメニエール病の発症の要因であることが示唆されている。本研究では再生医療のメニエール病治療への応用を最終的な目標とするため、まず実験動物を使用し、内耳における血管条の発生機序の解析を目指した。マウス胎生後期において内耳有毛細胞・支持細胞・前駆細胞のみならず血管条に分化する領域においてNotchlが活性化されていることが、研究協力者の村田の研究(Murata J et al, J Comp Neurol 2006)により報告されている。本研究では村田の支援を受け、血管条の発生機序を解明するために活性化Notchlの血管条分化予定領域での発現を詳細に検討する予定であった。そのためにNotchlではなく、活性化されて核内に移行したNotchl細胞内領域(NICD)を特異的に認識する抗体(act N1)を用いて血管条における Notch1 の活性化を時空間的に詳細に検討する予定であった。