Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
アルジェリアを中心としたアラブ=ベルベル文学の比較文化的研究を目指した本研究は、研究代表者の本務校鹿児島大学の地理的・文化的特色を活かしつつ東アジア海洋地域との関わりの中で遂行された点に特色がある。まず韓国比較民俗学会と合同で鹿児島大学島嶼教育研究センターに国際シンポジウムを開催、奄美群島のヴァナキュラー文化についてフィールド調査を行ったほか、同センターにおいて日中韓合同の「東アジア海洋フォーラム」にも参加。さらに韓国フランス学会の招聘を受け、大田の培材大学校に開かれた国際シンポジウム「アルベール・カミュと北アフリカ」で基調講演を行い、同じく招聘されたアルジェリアのベジャーヤ地方劇場演劇祭のシンポジウムでは、北アフリカの前演劇的パフォーマンスを上述の奄美調査で得た知見と噛み合わせて論じることができた。加えて、フェスティバル/トーキョーのレバノン演劇上演に際しては解説資料を執筆し、国際演劇協会日本センターの「紛争地から生まれた演劇」のためにアルジェリアの戯曲を翻訳、上演にあたってポストトークを務める等、アウトリーチ活動にも努めた。当年度の主要著作に以下のものがある:「レバノンの舞台芸術とラビーア・ムルーエ」『シリア・レバノンを知るための64章』明石書店。「大きな家」「ダーウィン通り」『いま、世界で読まれている105冊の本』テン・ブックス[書評]。カテブ・ヤシン「彷徨える民衆」『神奈川大学評論』[翻訳・解題]。「喩としての「海上の道」:詩的言語の空間想像力」『比較民俗学会』第52輯[ソウル]。「異言語で敗北を引き受ける:金石範からムールード・マムリへ」『立命館言語文化研究』25巻2号。カテブ・ヤシン「包囲された屍体」『アラブ・イスラム世界の現代戯曲』国際演劇協会日本センター[翻訳・解題]。「アラブ=ベルベル演劇の現在」『国際演劇年鑑2014』国際演劇協会日本センター。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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立命館言語文化研究
Volume: 25-2 Pages: 127-139
現代思想
Volume: 41-8 Pages: 230-230
比較民俗学会
Volume: 52 Pages: 23-32