Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
申請者は、これまで、履歴の明らかな文化財建造物由来古材を実験材料として用い、木材の経年による材質変化現象の定性的評価を行なうとともに、木材細胞壁の主要構成化学成分、組織構造において認められる経年変化の知見と合わせて、その詳細を明らかにするべく努めてきた。本研究課題では、木材をはじめ生物系材料における経年変化現象を、より理学的に記述することを目的として、木材が、親水性かつ粘弾性を示す高分子の複合体であることに注目し、特に、水分吸着挙動の経年による変化を検討した。具体的には、年代・樹種など履歴の精査を終えた古材を主な実験試料とし、木材工学における定石的な実験手法を用いて、24℃での吸湿・脱湿等温線を測定した。得られた吸着塔温泉を解析することにより、木材細胞壁内における吸着水の凝集状態および吸着サイト数を算出し、木材の劣化状態の内部特徴量の関数として示した。得られた成果については、日本建築学会、日本木材学会、日本学術会議材料工学連合講演会ならびに、中国・マダガスカルで開催された国際会議で報告し、現在論文投稿中である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2014 2013
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