Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
エボラウイルスの主要標的細胞はマクロファージや樹状細胞であるといわれているが、これらの細胞がエボラウイルス感染の致死的病態にどのような役割を果たしているかは未だ不明である。そこで本課題では、microRNAのタンパク発現調節機能を利用してマクロファージや樹状細胞特異的に増殖が抑制されるウイルスを作出し、その性状解析を試みることとした。はじめにエボラウイルス遺伝子に組込むターゲットmicroRNA(miR)を決定した。マクロファージや樹状細胞で多く発現していると推察されるmiR142およびmiR155、コントロールとしてmiR142の相補配列を候補とし、組換えエボラウイルスを作出することとした。まずエボラウイルスのミニゲノムにmiRNAターゲット(miRt) の繰り返し配列を挿入したリポーターアッセイを計画した。しかしアッセイ系が予定したとおりに組めなかったため、リポーター遺伝子の下流にmiRt配列を含むエボラウイルスの非翻訳領域を組込んだプラスミドを作出し、リポーターアッセイとして用いる方法に変更することとした。またリポーターアッセイの確立に時間を要したため、エボラウイルス遺伝子にmiRt配列を組込む実験を平行して行うこととした。エボラウイルス遺伝子全長を扱う実験は日本国内では許可されていないため米国の施設において実施した。エボラウイルスのL遺伝子から3’UTRまでを含むサブクローニングプラスミドを用いて、エボラウイルスL遺伝子の停止コドンの直後にmiRt配列を組込んだ。続いて、制限酵素によりmiRt配列を含むエボラウイルスの部分遺伝子を切断し、全長遺伝子に組込むことでmiRt配列を含む組換え全長遺伝子を作出できた。本課題は若手研究Bの採択によりH26年度は辞退となったため、作出したプラスミドを用いた解析は若手研究Bの課題として実施している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。