Project/Area Number |
25893062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
市橋 徹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (70708396)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | メラノーマ / 色素細胞 / 色素幹細胞 / 免疫療法 |
Research Abstract |
悪性黒色腫(メラノーマ)は増殖および転移能が高く治療に最も苦渋する皮膚がんの代表である。メラノーマの免疫療法の大きな特徴として、腫瘍退縮と皮膚の白斑出現に相関が認められ、腫瘍退縮に関与している免疫応答は色素細胞系譜に特異的な抗原を標的としていることが示唆されている。またメラノーマ細胞の分化状態に関わらず、ほとんどのメラノーマ細胞が腫瘍形成能力を持ち合わせていることが最近指摘されている。そこで本研究では、色素幹細胞とその子孫細胞(分化細胞)の両方を標的とした自己免疫応答を誘導することにより、メラノーマに対する新たな免疫療法を開発することを目的として実施した。免疫源としてアポトーシスさせた正常ヒト表皮メラノサイト(NHEM)および色素幹細胞のマーカーとして用いられているドパクロムトートメラーゼ(Dct)由来のエピトープペプチドを、骨髄由来樹状細胞(BMDC)に取り込ませてB6マウスに免疫して色素細胞が標的となることで白毛化が誘導されるかを調べた。その結果、NHEMで免疫した場合には白毛化は見られなかったが、Dct由来のペプチドで免疫した場合は白毛化し、免疫を止めた後の毛周期で生えてくる毛も白いまま維持され、色素幹細胞が免疫応答の標的となっていることを示唆する結果が得られた。また本研究では、組織学的にヒトメラノーマに近づけるためヒト型の皮膚をもつマウス(:K14-SCF tg)にヒトメラノーマと同様の変異BRAF遺伝子発現をタモキシフェン投与により色素細胞系譜において特定の時期に制御可能な遺伝子、およびヒトのメラノーマで変異が確認されているPTEN遺伝子の欠損が導入され、さらに色素幹細胞系譜を可視化できる遺伝子が導入されたメラノーマ自然発症モデルマウスを作製し、自然発症かつヒトのメラノーマに酷似する像が得られるのかどうかを詳細に解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常な色素細胞、色素幹細胞を標的とした自己免疫応答を誘導し、マウスの毛を白毛化させることに成功した。またメラノーマ自然発症モデルマウスとして、合計6つの遺伝子をtransgeneしたマウスを作製することができ、現在このマウスから発生してくる病理像がヒトメラノーマの病理像と同じであるかを詳細に解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
自己免疫応答が誘導できる方法を利用し、自己免疫応答の異常により引き起こされる尋常性白斑のモデルを作製していく。また色素幹細胞系譜を可視化できる遺伝子が導入されたマウスを免疫して白毛化させ、色素細胞や色素幹細胞の組織学的な解析を行っていく。さらに当研究室で作製したメラノーマ自然発症モデルマウスから発症してくるメラノーマの病理像の解析が終了し、ヒトのメラノーマに酷似していることが確認されたら、このマウスを用いて免疫療法の効果を確認していく。
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