Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
プリオンプロモーターを用いたSIRT1過剰発現マウスを用いて、「SIRT1は脳虚血抵抗性を賦与する」という仮説を検証しようと考えている。野生型とSIRT1過剰発現(Sirt1-Tg)マウスに両側総頸動脈狭窄(BCAS)手術を行い、個体(in vivo)レベルで脳血流量変化、脳病理組織、行動変化を比較検討した。また、両群に、より強い虚血侵襲である10分間の両側総頸動脈閉塞術も行い、脳血流量変化、脳病理組織の比較を行った。マウス両側総頚動脈狭窄術(BCAS)後の脳血流量は、SIRT1過剰発現(Sirt1-Tg)マウスは野生型と比較し術後1か月の間有意差をもって保たれた。術後1か月の脳組織学的評価では、クリューバー・バレラ染色で大脳白質の粗像化を評価したところSirt1-Tgマウスで大脳白質障害は軽度であり、抗GFAP抗体、抗Iba1抗体の免疫染色においてもSirt1-Tgマウスで大脳白質のグリオーシスは軽度であった。ただ、TUNEL法によるアポトーシスの検出においては両群ともアポトーシスは発現していなかった。術後1か月の行動評価において8-arm radial maze試験で遂行機能の障害の程度をテストしたところ、Sirt1-Tgマウスで遂行機能障害はほとんど発現しておらず、野生型マウスのみ遂行機能障害を認めた。10分間の両側総頚動脈閉塞術もSirt1-Tgマウスと野生型マウスに行った。laser speckle flowmetryによる脳血流量測定では、閉塞中の脳血流量はSirt1-Tgマウスで野生型と比較して有意差をもって保たれており、術後7日の時点での抗NeuN抗体による免疫染色は海馬の神経細胞死はSirt1-Tgマウスで軽度であることを示した。以上の検討から、永久両側総頸動脈狭窄と一過性両側総頸動脈閉塞という2種の虚血侵襲に対して、Sirt1-Tgマウスが虚血抵抗性を示すことが判明した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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