Project/Area Number |
25907036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | 北海道教育庁 |
Principal Investigator |
松浦 賢一 国立大雪青少年交流の家, 事業推進室, 事業推進室長
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2013: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 生きる力 / 防災教育 / 協同教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生きる力の実質化を図る防災教育の構築を目指し、青少年教育施設における実践・調査研究から、防災教育の観点に立った青少年集団宿泊体験活動の効果的なプログラム開発を目的とするものである。まず青少年教育施設における防災キャンプの実例を収集した。その中から「生きる力」の向上を試みた実践を抽出して質問紙調査を実施し、定量的な分析と質的な研究を同時に試みた。その結果、災害時を想定した活動における「自助」「共助」の精神を大切にし、「協同」の原理に基づいた教育活動を多く取り入れた取組が、生きる力を向上させるのに有効であることが明らかになった。 とりわけ、協同教育に基づいた取組は、次の3つの教育効果をもたらすことが明らかになった。(1)キャンプや野外炊飯等アウトドアでの体験活動を多く取り入れたことから、開放的な環境の中で仲間と自然に交流を図り、無理なく慣れ親しむことができ、促進的相互交流の活性化をもたらした。(2)災害時を想定して「共助」の精神を重視してグループ活動を多く取り入れ、互恵的目標と個人の責任を明確にした。そのことによって、他者と協同するためのコミュニケーションを促進し、思いやりや仲間と助け合い協力する態度を養う可能性が見られた。(3)ナタや包丁等の刃物を扱うアウトドアでの集団体験活動は、身体的能力を向上させ、防災力を高める効果をもたらした。 さらに、保護者を対象にしたアンケート調査の結果からは基本的生活習慣や友だちとの関わり、物を大切に扱うことへの意識に防災キャンプが影響を及ぼすことが明らかになった。防災教育の観点に立った集団宿泊体験活動の効果的なプログラムについて、現場の実態に即し、かつ参加者の変容データに基づく実証的な研究から明らかにしたことが本研究の重要な発見である。今後の課題は、防災教育プログラムにおける協同学習の教育効果について実践的な視点から検討することである。
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