Project/Area Number |
25917004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
青山 正樹 分子科学研究所, 技術課, 技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2013: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 2層クラッド材 / 長波長電磁波用ミラー / 形状誤差 |
Research Abstract |
長波長電磁波用の高精度金属ミラーを、従来からある一般的なNC加工機により低コストで製作するための技術を検討した。通常、切削加工時における製作物の形状誤差は、製作物の固定時に生じる変形、残留歪の解放、切削時の発熱による熱歪など、特に材料の剛性不足の時に顕著になると考えられる。そのため基板材料にセラミクスを用いて素材強度を高め、変形を抑制することを狙った。本課題ではミラー面にアルミニウム合金A5052を、セラミクス基板材料には、アルミニウム合金の熱膨張係数に近いセラミクス素材を選定し、ジルコニアセラミクスを用いた2層クラッド材ミラーの製作を試みた。 2層クラッド素材の製作には真空環境下でのミラーの使用を考慮し、真空用接着剤(トールシール)を用いて接着することで製作を行った。製作サイズは、ジルコニア基板50㎜×50㎜厚み3mm、アルミニウム合金45㎜×45㎜厚み5㎜とした。2層クラッド材の加工抑制効果を確認するために、製作した2層クラッド材およびアルミニウム合金単体を、アルミ合金部分の厚みが2mmとなるまでφ6mmスクエアエンドミルにて平面加工を行った。その結果アルミニウム合金単体の場合の平面度は、X方向30.7μm (RMS)、Y方向11.0μm (RMS)であった。また2層クラッド材の平面度はX方向1.3μm (RMS)、Y方向1.9μm (RMS)であり、2層クラッド材を使用した場合の加工精度改善に大きな有効性が確認された。またR3.0㎜ボールエンドミルを使用して2層クラッド材に対してミラー形状を模したR90凹面の加工を行い、非接触3次元形状測定装置(NH-3)で形状測定を行った。その結果、曲率演算結果90.12㎜、R2乗誤差0.999998となり、良好な曲面形状加工が可能であることが確認された。 これまでに2層クラッド材による高精度ミラー製作の前例は無く、この方法の有効性が確認されたことから、加工歪を考慮した加工効率の悪い低負荷な切削条件ではなく、一般の町工場や試作工場において、一般的な加工方法による効率的な製作を可能とすることができるものと思われる。
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