凍結融解環境下における腐食液濃度の偏りによる溶接熱影響部の孔食型腐食進展の解明
Project/Area Number |
25917006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
石塚 和則 釧路工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 凍結融解 / 溶接熱影響部 / オーステナイト系ステンレス鋼 |
Research Abstract |
【研究の目的と結果の意義】 北海道東部沿岸地域は, 塩化物を含んだ融雪剤や海水飛沫にさらされる塩害の環境と, 昼夜間における寒暖の差により腐食液が凍結と融解を繰り返す環境とが複合した厳しい環境であり, 溶接された鉄鋼構造物はこのような環境にさらされている. これまでの研究により腐食液の凍結時と融解時における凍結濃縮がもたらす濃度上昇の影響だけでなく, さらに濃淡電池腐食のような局所的な濃度の偏りが影響することで, 恒温環境と比較し凍結融解環境下においてきわめて孔食型腐食の進展が著しいことが明らかになった, その対策として, 溶体化熱処理やSUS316耐孔食ステンレス鋼の適用も有効であるが, 一般的に広く用いられているSUS304においても環境因子を解明することで, 腐食の進展を減少させる方策を検討することが工業的に重要である. そこで, 溶接方法の違いによる溶接熱履歴とステンレス鋼溶接継手の溶接熱影響部に発生する孔食との関係, 凍結融解に伴う腐食液濃度の局所的違いが溶接継手の孔食進展に及ぼす影響を明らかにした. 【研究の方法と成果】 供試材料には溶接したSUS304オーステナイト系ステンレス鋼を用い, 6%塩化第二鉄水溶液に凍結融解14サイクル(2週間)浸漬した腐食実験により以下の結論が得られた. 1、同様の溶着金属幅の溶接をMIG溶接法, TIG溶接法それぞれで行い孔食を比較すると, 溶接入熱が約1.5倍となるTIG溶接供試材の孔食面積は約4倍であった. したがって凍結融解環境下ではより溶接入熱の少ないMIG溶接法を用いることで孔食を抑制できることが分かった。 2、T継手の供試材料において, 水平母材に生じた孔食の面積は垂直母材の4倍であった. 孔食発生箇所における塩化物イオンの濃度は, 水平母材で垂直母材の約3倍であった. したがって液位がより低位において凍結濃縮と局所的偏りが大きくなるため, そこに継手を設けないことで孔食を抑制できることが分かった.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)