Project/Area Number |
25929015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田坂 祐一 愛媛大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / うつ病 / α_7型ニコチン性アセチルコリン受容体 |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎(UC)は活動期と緩解期を繰り返す難治性の病気であり、特定疾患に指定されている。また、現在の治療薬では根治は難しく、これまでにない作用機序を持った新規治療薬の開発が望まれている。一方、マクロファージに存在するα_7型ニコチン性アセチルコリン受容体(α_7nAChR)の刺激を介した抗炎症作用機序(Nature, 2003)が発見され、α_7nAChR刺激薬は新しいタイプのUC治療薬になると考えられている。一方で、疫学的な研究からUC患者ではうつ病を合併するケースが報告されているが、末梢の炎症と中枢の疾患との因果関係、相互の影響については不明である。そこで本研究では、中枢神経系-迷走神経経路を介するニコチン性抗炎症経路に着目し、UCと中枢神経系の関連の検討および新規UC治療薬の探索・検討を行っている。 本年度の本助成により我々は7日間プロトコールである急性期DSS腸炎モデルを用いて検討を行った。すなわち、3%DSSを7日間投与することによりマウスの運動能力に影響を及ぼさない程度の腸炎を惹起し、その条件下での行動薬理学的な解析を一般的な抗うつ薬のスクリーニング方法であるTail suspension testおよびLight-dark box testを用いて行った。その結果、Tail suspension testでは有意ではないもののDSS腸炎を惹起することによりうつ症状を呈する傾向を認め、Light-dark box testではDSS腸炎の形成により有意にうつ症状を呈することを見いだした。これらのことから、UCを発症すること自体がうつ病のリスク因子であることが示唆された。 前述の通り、UCは活動期と緩解期を繰り返す慢性疾患であり、動物実験モデルにおいても急性期と慢性期の双方を用いた検討が重要であると考えられる。今後は急性期、慢性期双方のDSS腸炎モデルを用いて、行動薬理学的検討に加えて、脳内の炎症サイトカインなど免疫学的な指標、組織切片などを用いた組織学的指標を用いて解析を行い、UCと中枢神経系の関連について検討を行う予定である
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