Project/Area Number |
25930019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
八田 秀樹 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | KB染色 / 超音波 / キャビテーション |
Research Abstract |
Klüver-Barrera (KB)染色は、神経脱髄性疾患の診断に不可欠な特殊染色であり、通常のプロトコールでは2日間にまたがる作業が必要となる。また、染色や分別時間が設定されていないため、染色者の経験と判断の差が染色結果の差に直結している。近年、マイクロ波(MW)照射を用いるKB染色の時間短縮法が報告されているが、専用のMW照射装置が高価である事、適切な照射条件の設定が煩雑である事、照射による急激な昇温で染色液の減少や濃度の変化等の不具合が生じる事、などいくつかの問題点が指摘され、普及するには至っていない。 我々はこれまで、超音波(US)照射で生じる「キャビテーション」による高い撹拌・浸透効果が、固定・脱脂・脱灰や免疫染色における時間短縮に有効である事を報告してきた。同時に、キャビテーションは組織の挫滅と云った負の効果も示すことから、キャビテーション軽減剤等の添加で、組織の挫滅を軽減する方法も工夫してきた。 今回、市販の超音波洗浄装置を用い、US照射による迅速KB染色法の確立を試みた。その結果、US照射によりMW照射と同等の時間短縮効果が認められ、また、従来の分別液を炭酸リチウムから炭酸水素ナトリウムに変更することで染色時間と分別時間の設定が可能となり、迅速で安定した再現性の高い染色像が得られることがわかった。市販の超音波洗浄装置を用いた迅速KB染色は安価で導入が可能であり、照射条件設定などの煩雑な操作も不要である。また、キャビテーション軽減剤としてUS照射時に併用した炭酸ガスは、通常の胃X線検査で使用されている市販の発泡剤であり、使用法は容易である。 この方法の最大の利点は、染色と分別時間を確定して再現性の高い染色が可能になったことである。そして、炭酸ガスとUSを併用し炭酸水素ナトリウムで分別する本法は、安定した染色性を兼ね備えた、迅速で再現性の高い染色法と考えられた。
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