FESを用いた前立腺癌細胞におけるエストロゲン受容体発現の評価と作用の解明
Project/Area Number |
25931035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
長谷川 陽子 福井大学, 医学部, 技術補佐員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 16α-[^<18>F] fluoro-17β-estradiol (FES) / 前立腺癌 / エストロゲンレセプター |
Research Abstract |
【目的】前立腺癌に対するエストロゲン療法の作用機序としてエストロゲン受容体(ER)を介した前立腺癌への直接作用が示唆されている。よって、CRPCにおけるER発現の評価はエストロゲン療法に対する治療効果予測に有用となる可能性がある。今回、前立腺癌細胞におけるER発現の評価を16α-[18F] fluoro-17β-estradiol (FES)を用いて基礎的に検討したので報告する。 【方法】LNCaPをステロイド除去培地で培養した : LNCaP-SF細胞、このLNCaP-SFに発現するERαをsiRNAを用いてノックダウンした : LNCaP-SF-KD細胞、LNCaP-SF細胞をジヒドロテストステロンを添加したステロイド除去培地で培養した : LNCaP-SF-DHT、の4種類の細胞を用いてFESの集積を比較した。また、各細胞におけるERαの核内発現を蛍光染色で、mRNA発現をPCR法により評価した。動物実験では、LNCaPを雄性ヌードマウスに皮下移植し、腫瘍径が約0.5cmになったところで去勢術を行った。去勢直後および去勢後4、8週後にFESを径静脈投与し、腫瘍組織内集積をガンマカウンターで測定した。また、小動物PETを用いて、腫瘍へのFES集積を非侵襲的に測定した。腫瘍組織におけるERα発現は、PCR及び免染法を用いて評価した。 【結果】培養細胞を用いたFES集積の比較では、LNCaP-SF細胞はLNCaP細胞と比較して高集積を示したが、LNCaP-SF-KDおよびLNCaP-SF-DHTではFES集積は低下した。また、移植腫瘍を用いた実験では、去勢後に一旦増殖速度が抑えられた腫瘍体積は、去勢後3週間後より再び増加した。FESの腫瘍集積は去勢後0週に比して、4週、8週と、経時的に増加することが、PETおよびガンマカウンターによる評価でも確認された。また、腫瘍におけるERα発現とFES集積との間には正の相関を認めた。 【結論】LNCaP細胞ではアンドロゲン除去培地においてERαの発現が増加することが培養実験および動物実験レベル示され、前立腺癌のアンドロゲン抵抗性獲得におけるERαの関与の可能性が示唆された。また、PETトレーサーであるFESを用いること前立腺癌細胞におけるERα発現を非侵襲的に評価できる可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)