神経芽腫細胞株(SK-N-SH)における癌幹細胞同定への試み
Project/Area Number |
25931037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 陽子 広島大学, 技術センター, 契約技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 神経芽腫 / 癌幹細胞 / SK-N-SH |
Research Abstract |
神経芽腫は胎生期の神経堤細胞neural crest cellを由来とする小児の固形悪性腫痛である。悪性度の高い神経芽腫において癌幹細胞の存在が提唱されているが同定には至っていない。また、神経芽腫ではその形質によりS、I、Nと3つのタイプに分類され、特にIタイプにおいて癌幹細胞との関係を示唆する報告がなされている。我々は不均一な細胞群からなるSK-N-SH細胞を用い、癌幹細胞の同定と分離を目的に研究を行った。貝体的には、3タイプそれぞれに相当するクローンを作成し、特にこれまでの実験において幹細胞性を示すことを確認しているIタイプのクローンについて、他2つのクローンとの差異を調べることで、癌幹細胞同定を試みた。 これまでの研究で, CD44、CD133が神経芽腫の癌幹細胞マーカー候補としてあげられたが、これらだけでは、癌幹細胞群を特異的に分離することができなかったため、さらに癌幹細胞群を特定するためのマーカーを探すべく、S, I, Nタイプの表面マーカー発現様式を網羅的に探索したところ、Iタイプ特果的な発現を確認し、多くのマーカー候補を得た。さらに、得られた表面マーカー発現解析の結果をこれまでに行ったSK-N-SH細胞のクローン間での遺伝子発現解析(Iタイプ特異的な遺伝子発現の解析)および実際の臨床症例での遺伝子発現解析(予後不良群に特異的な遺伝子発現の解析)の結果と重ね合わせて解析することで、癌幹細胞同定のための表面マーカー候補の絞り込みを行うことができた。また、遺伝子発現解析の結果、悪性度の高い神経芽腫とWnt/β-catenin、PDGF, CD38系, IL-6, STAT, TGF-βシグナル系との関連が示され、癌幹細胞同定のための分子マーカー候補が得られた。今後は得られたマーカー候補の有用性を確かめるべく、SK-N-SH以外の神経芽腫細胞株も用いて更なる検討を行い、癌幹細胞同定を目指す予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)