Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
本研究は“動的キラリティーの制御”に焦点を当て、これまで静的(非ラセミ化)キラリティーに依拠して発展を遂げてきた触媒的不斉合成の分野にパラダイムシフトをもたらすことを目標としている。分子中に固定されたキラル要素を一切持たず、鏡像配座が速い平衡にある「アキラル動的触媒」を用い、反応のキラル生成物が鏡像配座の平衡を不斉増幅を伴ってシフトさせることを利用し、反応生成物から触媒へのキラリティーの増幅を伴うフィードバックによる「自己不斉増幅触媒反応」を実現する。また、固体化による「不斉記憶」を利用し、外部キラル源の除去後においても動的に誘起した触媒キラリティーを完全に保持して行う不斉触媒反応を実現する。