Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
勘違い(誤謬)はなぜ起こるのだろうか?通常、誤謬は推論の際に生じる論理の誤りによって起こるとされる。一方、本研究では「誤謬は記憶の変容によって起こる」という仮説をもとに、推論における記憶の役割を明らかにする。われわれは、誤謬の原因が記憶のメカニズムにあるとするモデルを提案し、行動および脳イメージング実験により検証する。この記憶モデルでは、誤謬は推論の瞬間に生じるのではなく、記憶が無意識のうちに変容する過程で潜在的に生じ、時間の経過とともに強固になる。本研究の成果は、従来の研究では説明できなかった誤謬を記憶の観点から統一的に説明し、推論研究の知見に根本的な再解釈をもたらす。