Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
重合性物質には重合禁止剤を添加するが、効果的な選択は経験則に基づいており原理に基づく重合制御ができていない。これは、重合性物質が溶存酸素と反応し過酸化ラジカルを生成する過程が未解明であるためである。安全な高分子製造には、過酸化ラジカル生成および自発熱重合機構の解明が急務である。本研究の目的は、溶存酸素による過酸化ラジカル生成および熱開始の詳細反応モデルを構築し、重合性物質の自発熱重合機構を解明することである。アクリル酸メチルを対象に、溶存酸素濃度と過酸化物濃度の同時分析、量子化学計算による素反応モデリング、反応速度定数算出、熱力学データ算出を行い、シミュレーション結果と実験結果を比較検証する。