Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
細胞膜は、脂質分子(膜脂質)により構成され、細胞および細胞小器官を形作る。近年の脂質生物学研究では、細胞内に非常に多種多様な膜脂質が存在することに加え、それらの細胞機能における役割が示されてきた。他方で、研究代表者はこれまでに、膜脂質が細胞内における温度の制御因子であることを見出している。そこで、本研究では膜脂質依存的な細胞内温度決定原理の全容、さらにその細胞機能に対する関与の解明を試みる。温度は生体分子の存在状態に遍く影響を与えるため、本研究から膜脂質が細胞現象に寄与する新規のメカニズム、すなわち膜中・膜上に留まらない膜内腔・細胞質の物理化学的環境に対する作用が明らかになる可能性がある。