Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
肺炎の主な原因細菌である肺炎球菌の薬剤耐性化が進行し,肺炎が難治化・重症化している.そこで肺炎球菌性肺炎の重症化メカニズムを解明し,それに基づく新たな治療法開発が必要と考えた.予備実験にて,肺炎球菌は宿主の上皮成長因子受容体(EGFR)に結合する分子を持つとの知見を得た.EGFRは上皮成長因子(EGF)との結合により活性化し,EGFと共に細胞内へ取り込まれる.これらの知見から,肺炎球菌のEGFR結合分子がEGFRを活性化することで細胞内に侵入する,またはEGFR活性化を阻害することで肺炎を重症化させるとの仮説を立てた.本研究では,肺炎球菌のEGFR結合分子を同定し,感染に及ぼす影響を解析する.