Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
新生児低酸素性虚血性脳症は、周産期脳障害の代表疾患であり予後改善には新規治療法の確立が不可欠である。本研究では、神経細胞の浮腫とイオン環境の変化に着目し、浮腫軽減作用が期待されるフロセミドおよびペランパネルの効果とその作用機序を、細胞内塩化物イオン濃度感受性蛍光タンパク質を発現するClomeleonマウスの脳スライスを用いて、2光子顕微鏡により高解像度で解析する。従来の低体温療法に代わる新たな薬物療法として細胞レベルでの病態制御を明らかにし、神経保護戦略の臨床応用への可能性を提示する。新生児におけるイオン動態特性を踏まえたアプローチにより、疾患特異的かつ実用性の高い治療開発の推進を目的とする。