Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
肝臓と腸管は門脈と呼ばれる特殊な血管を介して繋がっているため、腸管で吸収した物質は肝臓に直接運び込まれる。腸内には微生物や食物抗原など多様な異物も存在しており、これらも日常的に腸管で吸収され、肝臓に侵入してくる。これら物質の流入に対して肝臓は、生体にとって必要な物質は通すが、不要な物質(異物)は排除する高度なフィルター機能を果たしている。興味深いのは、肝臓内では炎症誘導性異物に対して免疫系が過度に反応することはなく、臓器の恒常性を保ちながら静かに排除している点である。本研究では、肝臓免疫系が一体どのようにして腸管から流れ込む多種多様でかつ大量の物質を選別し処理しているのか、その実態を解明する。