Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
病理標本に生じる切片のしわは、標本作製過程で発生する代表的なアーチファクトの一つであるが、その発生メカニズムは未だ十分に解明されていない。病理検体は水分、蛋白質、脂質などから構成され、標本化の過程でアルコール脱水とパラフィン浸透が施されることで、乾燥した蛋白質へと変化する。この乾燥蛋白質は水分を吸収しやすく、膨張による構造変化が生じやすいことから、本研究では、標本中における膨張の不均等性がしわの発生に関与しているとの仮説を立てた。そこで、病理検体の組成特性と切片に生じるしわとの関係性を明らかにすることを目的とし、研究を進めるものである。