Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
応募者が開発したレーザーイオン化飛行時間型質量分析計は、芳香族化合物に対してサブフェムトグラムまで測定できる。また、ガスクロマトグラフ/質量分析の二次元データ表示法に基づき、数 1000種類の成分を一斉に測定できる。しかし、爆発物については、電子イオン化法だけではなく、ソフトな光イオン化法を用いても、分子イオンはほとんど観測されず、高感度分析も困難である。そこで本研究では、深紫外フェムト秒レーザーイオン化質量分析法を開発し、過酸化アセトンなど一連の爆発物に対して、分子イオンを検出すると共に、高感度に分析できることを実証する。本研究は、質量分析における新たな基礎技術を提供するものであり、広い学術分野に大きな波及効果をもたらすことはもちろん、テロ活動に対抗するための分析技術としても有効である。以上の背景の下平成26年度、以下の通り研究を進めた。深紫外域において波長、パルス幅、エネルギーを変化できるフェムト秒レーザーをイオン化源とする質量分析計を開発することを計画として挙げ、まず、チタンサファイアレーザー光の3倍波、基本波、そして光パラメトリック増幅器からの近赤外レーザー光の3つを水素中に集光し、多色深紫外レーザー光を得た。従来の3倍のエネルギーを持つ3倍波を得る光学系を構築し、実現した。そして深紫外多色超短パルスレーザー光のエネルギーを3倍向上させる道筋をつけた。多光子イオン化飛行時間型質量分析においてこのエネルギー向上は感度の大きな向上へ繋がる。深紫外多色光の各パルスのパルス幅を短縮するためのプリズム圧縮器のテストを行い、最短パルスへ圧縮し、飛行時間型質量分析計へ導入し、イオン化効率の変化を見た。また、波長可変フェムト秒レーザーを用い、パルス幅と波長をパラメータとした実験研究を行い、共鳴と非共鳴イオン化の場合のイオン化効率を定量的に比較した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2014
All Presentation (2 results)