Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
人類は有史以来、動物が季節に適応する能力に魅了されてきたが、その仕組みは謎に包まれている。応募者は特徴的な季節応答を示す動物を用いて、脊椎動物が春を感じる脳内情報伝達経路を解明してきた。しかし動物が様々な臓器を使って季節に適応する「臓器間ネットワーク」の作動原理は明らかにされていない。また概日時計を使って日長を測定する「臨界日長」の設計原理と温度の季節変化に適応する「温周性」の制御機構も明らかにされておらず、これらは生物学に残された大きな謎と言える。従来の研究で、下垂体の付け根に位置する下垂体隆起葉において、長日条件下で分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)が、脳に春を告げるマスターコントロール因子して働くことを明らかにしていたが、このTSHが下垂体前葉から分泌されるTSHと体内で情報の混線を起こさない仕組みは謎に包まれていた。本研究では、この情報の混線の防止がTSHの組織特異的な翻訳後修飾によることを明らかにした。また、動物が体内時計を使って日照時間の変化を感知している仕組みは未解明である。概日リズムが異常な時計遺伝子欠損動物を用いて、この謎に迫ろうという試みが世界中で行われたが成功しておらず、全く別のアプローチが必要とされていた。そこで日本各地で採集された野生集団由来のメダカ系統を用いて臨界日長を明らかにしたところ、緯度の高い地域に生息するメダカは長い緯度の低い地域のメダカに比べて、臨界日長を持つことを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Current Biology
Volume: 24 Issue: 13 Pages: R596-R597
10.1016/j.cub.2014.05.038
Frontiers in Neuroscience
Volume: 5 Pages: 115-115
10.3389/fnins.2014.00115
睡眠医療
Volume: 8 Pages: 203-209
比較内分泌学
Volume: 40 Pages: 65-67
http://www.itbm.nagoya-u.ac.jp/ja/research/2014/07/spring-yoshimura.php
http://www.itbm.nagoya-u.ac.jp/ja/research/20140710_Yoshimura_Press_Release_JP.pdf