Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
1.膵腫瘍患者の組織標本における、糖蛋白質「ムチン」の発現状況のプロファイル作成:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の亜型分類において重要なポイントとなるMUC1とMUC2、膵癌の予後不良因子であるMUC4について、鹿児島大学の85症例、独国ウルム大学の47症例の膵腫瘍検体の腫瘍部・非腫瘍部の免疫組織学的解析を行い、膵腫瘍ごとに独特のMUC1・MUC2・MUC4の発現パターンがあることを確認した。さらに、低酸素状況を示すマーカーであるCA9が、MUC1やMUC4と相関する領域で発現していることを見出した。2.膵腫瘍患者の組織検体における、ムチン遺伝子のメチル化状況のプロファイル作成:鹿児島大学より168検体(85症例)、独国ウルム大学より132検体(66症例)の膵腫瘍検体の腫瘍部・非腫瘍部の組織検体を用いて解析を行った。ヒト膵臓検体において、MUC1・MUC2・MUC4のmRNA発現が、これまでに報告してきたプロモーター領域の脱メチル化と相関関係にあることを明らかにした。また、MUC1およびMUC4プロモーター領域の脱メチル化と、脱メチル化酵素として報告されているTET(Ten eleven translocation)ファミリーの発現状況に相関があることが示唆された。加えて、膵癌培養細胞において、環境因子である低酸素状況下では、MUC1およびMUC4のmRNA発現が上昇していることも明らかにした。3.上記2つのプロファイルに臨床情報・病理情報を統合したデータベースの作成:上記解析結果に臨床情報とともに蓄積し、データベースを構築した。免役染色結果と臨床情報、エピジェネティック解析、遺伝子発現解析結果を比較すると、正常膵組織におけるMUC4遺伝子プロモーター領域の脱メチル化状況が予後不良に関連していた。4.膵癌のムチン発現様式との比較を行うために、虫垂癌におけるムチンの臨床病理学的意義の解明を行った。虫垂癌108症例の解析では、MUC3の発現が虫垂癌において予後不良因子であった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015 2014
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results, Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (1 results)
化学工業
Volume: 66 Pages: 28-33
Pancreas
Volume: in press
PLoS One
Volume: 9 Issue: 12 Pages: e115613-e115613
10.1371/journal.pone.0115613