不活動由来の痛みの末梢機構解明と理学療法学的介入方法の可能性を探る
Project/Area Number |
26350612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Rehabilitation science/Welfare engineering
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
関野 有紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (90718991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 治郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20380834)
本田 祐一郎 長崎大学, 病院(医学系), 理学療法士 (40736344)
森本 陽介 長崎大学, 病院(医学系), 理学療法士 (40534409)
佐々部 陵 長崎大学, 病院(医学系), 理学療法士 (50710985)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 不活動 / 痛み / ケラチノサイト / 神経成長因子 / TRPV1 / P2X3 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまでに4週間のギプス固定によるラット足関節不動モデルにおいて、不動1~2週から痛覚閾値が低下し、これは不動期間に準拠して顕著になることを明らかにしており、痛みの発生メカニズムの一部に皮膚の組織学的変化が関与すると推察している。すなわち、表皮の菲薄化や末梢神経密度の増加といった変化が痛みの発生し始める不動1~2週後と一致して認められ、これらの変化は不動期間の延長に伴って顕著になるという知見を得ている。また、不動4週目の足底においてはケラチノサイト由来神経成長因子(NGF)の発現増加も認めている。 一方、近年、ケラチノサイトにおいて侵害刺激の受容に関与する受容体が発現・機能していることが明らかとなり、痛みの病態との関連も報告されている。そこで、本研究ではケラチノサイトにおけるNGFと代表的な痛み関連受容体TRPV1およびP2X3の発現変化について経時的に検討することを目的とした。 不動期間を1・2・4週に設定し、各不動期間終了後、足底皮膚を採取し免疫組織学的解析を行った。その結果、NGFの発現は不動1週後から通常飼育ラットに比べ有意に増加しており、その発現レベルは不動期間を通して維持された。一方、TRPV1およびP2X3の発現は不動2週後から通常飼育ラットに比べ有意に増加しており、不動期間依存的な増加を認めた。今回、皮膚の組織学的変化は不動1~2週という早期から生じ、痛みの発生状況と同様の経時的推移を示したことから、その発生メカニズムに深く関与することが推察された。NGFは神経成長を促すのみならず、神経細胞におけるTRPV1やP2X3を含めた疼痛関連分子の遺伝子・蛋白の発現を調節するメディエーターとしても機能する。 したがって、本研究成果は不動に伴う痛みの皮膚-神経系における情報伝達機構の変調を解明していく足掛かりとなるものと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)