Budget Amount *help |
¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ストレス応答における視床下部―下垂体―副腎系(hypothalamic-pituitary-adrenal axis: HPA 系)の制御遺伝子に焦点を絞り研究を行っている。本年は、まずその中の一つFKBP5遺伝子の機能多型rs1360780(C/T)が高齢者でのみ特有の表現型を示すことを発見した。DEX/CRH試験による解析集団を二群に分けた時、50歳より上の集団でのみ、精神疾患リスクアリルとされるTアリルを持つものが、HPA系過抑制の表現型になっていたのである。この発見は患者ではなく、健常者のみを対象として検査した結果であることも衝撃的であった(Fujii et al, Psychoneuroendocrinology 2014)。実はFKBP5遺伝子の機能多型を発見したとき、世界各国の研究者は時間軸の概念を入れることなく研究していた。したがって老人中心の集団を解析していた研究と若者中心の集団を解析した結果が、完全に食い違っており、皆がそのコンフリクトに対して苦しい考察をしていたのである。それを一気に解消した研究であった。この機能多型は認知機能検査においても、解析集団を二群に分けた時、50歳より上の集団でのみ特定の認知機能低下が認められる (Fujii et al, Sci Rep. 2014)。さらに脳画像解析の結果、この遺伝子多型の違いがHPA系の制御にかかわる脳の領域の差を生み出すことを発見しており(Fujii et al, J Psychiatr Res 2014)、FKBP5遺伝子の機能多型rs1360780(C/T)の多面的な機能解析に成功している。
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