Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
日常生活における“立つ・歩く”などの“非運動性身体活動量(NEAT)”が減少すると内臓脂肪型肥満が引き起こされる。我々は“肥満動物において減少したNEATが高強度短時間のスプリント型水泳運動によって回復する”可能性を見出した。しかし、減少したNEAT回復のために効果的な運動内容(至適運動強度や種類)については不明である。本研究では、種類の異なる高強度短時間運動であるレジスタンス運動の効果について検討した。ラットに14日間高脂肪食を摂取させたところ、NEATが減少傾向を示すとともに、内臓脂肪重量が増加した。そして、高脂肪食摂取開始10日目にレジスタンス運動(体重の50%に相当する錘をつけて金網ケージを登る運動を30秒×15回)を行わせたが、NEAT減少や内臓脂肪蓄積を防止することはできなかった。したがって、レジスタンス運動は、減少したNEATを回復させることでは内臓脂肪蓄積を防止しない可能性がある。今後、運動強度を規定するのが容易なトレッドミル走行運動で低強度や中強度の運動でのNEAT回復効果を検討し、肥満動物において減少したNEAT回復の為に効果的な至適運動強度を明らかとしたい。また、運動によるNEAT 回復の作用機序(視床下部機能改善を介する可能性)を実験動物を用いて検討する必要がある。