Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
近年の医学・細胞生物学の発展により、個々の細胞の様々な働きが明らかにされてきた。しかし、実際に体内でそれらの細胞の働きを明らかにするためには、できるだけ生理条件を保持しながら、長時間、さらに細胞レベルの解像度で観察できる技術の開発が強く望まれている。本研究ではマクロファージをマウス体内で非侵襲観察することのできる技術開発に取り組んだ。これまでに、我々は、ナノ蛍光量子ドットを用いて、マウス体内の好中球の炎症反応の様子を、非侵襲条件で観察できる技術の開発に成功しているが、好中球の標識のために、量子ドットを結合させた抗好中球抗体を直接、マウスのに投与することで、血液中の好中球を標識する手法を取っていた。しかし、血液中のマクロファージの量は好中球に比較して少ないために、同様の手法を取ることはできない。そこで、我々は、精製したマクロファージに対して体外で、抗マクロファージ抗体を用いて量子ドットで標識し、それをマウス体内に投与し、以前我々が開発した観測機器により非侵襲観察することに成功した。同様の体外での蛍光標識方法を応用することにより、マクロファージ以外の細胞全般においても応用可能であると考えられる。また、遺伝子改変により蛍光タンパク質を発現させたマクロファージの観察が同様の観測手法によって可能かどうかを調査するために、遺伝子導入により蛍光を発生する単球様細胞株の作成を行い、イメージング実験への応用を目指している。本研究により得られたデータは、非侵襲観察に必要となる細胞の蛍光輝度を見積もるうえで重要なデータとなると考えられる。
All 2015 2014
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (4 results)
PLOS ONE
Volume: 9