Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究は、HLA領域に存在する免疫・感染制御遺伝子IkBLによって制御される選択的スプライシングの機能的意義を解明することを目的とした。昨年度までにT細胞株(JSL-1)、B細胞株(Raji)および上皮細胞株(COS)にそれぞれ遺伝子導入して、安定にIkBLを高発現するする細胞株を樹立し、このうちJSL-1細胞株についてPMA刺激前後のRNAseq解析を行った。今年度はRNAseqデータの解析を継続し、IkBLによって選択的スプライシング制御を受ける遺伝子を免疫制御のターゲットとしてピックアップした。また、IkBL遺伝子にはプロモーター多型によって発現量が異なること、HIV/AIDS感受性制御遺伝子がHLA領域にマップされていることから、IkBLの生物学的意義を究明するために IkBL多型とHIV-1感染感受性との関連を検討したところ、IkBL低発現アリルがHIV-1感染感受性と有意に関連することを見出した。そこで、IkBLを安定に発現するCOS細胞株にHIV-1プラスミドを導入してp24タンパク産生を検討したところ、IkBLはp24産生を抑制することが判明した。これとは別に、HIV-1感染感受性を制御する宿主要因を同定する目的でAPOBEC3H遺伝子多型を検討したところ、APOBEC3H活性がないハプロタイプC頻度がHIV-1感染者集団では有意に高く、HIV-1感染後10年以上AIDSを発症しない長期未発症者集団には有意に低かった。さらに、APOBEC3H活性が高いハプロタイプB頻度は長期未発症者集団に有意に高かったことから、APOBEC3HはHIV/AIDS感受性・抵抗性を制御する宿主要因であることが判明した。
All 2015
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Immunogenetics
Volume: 67 Issue: 4 Pages: 253-257
10.1007/s00251-015-0829-2