Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1 HPAIV)感染に対する哺乳動物宿主の免疫応答については不明な点が多い。本研究では、マウス及びカニクイザルにパンデミックインフルエンザウイルス(H1N1pdm2009)又はH5N1 HPAIVを感染させ、経日的に抗体誘導とB細胞の活性化を比較解析したBALB/cマウスにA/Tokyo/2619/2009(H1N1)又はA/whooper swan/Hokkaido/1/08(H5N1)を経鼻感染させ、体重及び生存率を測定した。経日的に採材し、肺中ウイルス量と抗体価の測定、肺病理組織解析を行った。脾臓中のB細胞濾胞及び胚中心形成は、抗IgD抗体及びPNAを用いて免疫組織化学的に解析した。カニクイザルにA/Narita/1/2009(H1N1)、A/whooper swan/Hokkaido/1/08(H5N1)を感染し、上・下気道拭い液中及び肺組織中ウイルス量の測定、肺病理組織解析、抗体価測定、ならびに脾臓中B細胞の免疫組織化学的解析を行った。H5N1 HPAIV感染BALB/cマウスは、著しく体重が減少し、感染11日後までに全個体が死亡した。一方、同一ウイルス量のH1N1pdm2009感染マウスは、ほとんど体重が減少せずに100%生存した。H5N1 HPAIV感染個体では、H1N1pdm2009感染個体に比べて、抗原特異的抗体価、中和抗体価、HI価はいずれも低値であった。また、H5N1 HPAIV感染とH1N1pdm2009 感染による脾臓中B細胞濾胞形成に差異が見られた。カニクイザルにおいて、H5N1 HPAIV感染個体は顕著に体重が減少し重症肺炎を発症したが、H1N1 pdm2009感染個体では体重減少は軽度で、かつ肺炎像も局所的であった。また、感染させたウイルス亜型間でB細胞濾胞形成に明確な差異が認められた。
All 2014
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