老化に伴う酸化ストレスと冠血管攣縮との関連について
Project/Area Number |
26860577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Cardiovascular medicine
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
山田 慎哉 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60566834)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 酸化ストレス / 冠血管攣縮 / 抗老化タンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
近年本邦では、高齢化が急速に進行し、虚血性心疾患の罹患率と死亡率は今後ますます増加することが予想される。本邦に多くみられる冠攣縮性狭心症においても同様に加齢に伴いその発症頻度は増加するといわれている。その要因として以前より加齢に伴う酸化ストレスの増大が冠血管攣縮に関与していると考えられているが、その機序および治療法に関しては不明な点が多い。そこで、活性酸素種産生系に影響を及ぼす抗老化蛋白Senescence Marker Protein-30 (SMP-30)に注目し、SMP-30欠損マウスを用いて加齢に伴う酸化ストレスの亢進と冠血管攣縮発生との関連について研究を行った。SMP30欠損マウスの冠動脈または大動脈では、野生型マウスと比較し活性酸素や過酸化水素の産生が亢進し、内因性の一酸化窒素合成酵素阻害物質(ADMA)の産生も亢進していた。一方で、生体における主要な抗酸化物質である還元型グルタチオン量は減少し、酸化型グルタチオンのレベルが上昇していた。この酸化ストレスの亢進は、血管内皮型一酸化窒素合成酵素のグルタチオニル化を介して血管拡張作用を有する一酸化窒素の産生障害を惹起した。その結果、血管内皮依存性血管拡張物質であるアセチルコリンの投与にて冠血管の一過性虚血性過剰収縮が誘発された。この一連の反応はthiol還元剤であるdithiothreitolの前投与によって予防することが可能であった。これより、酸化ストレスの亢進は血管内皮細胞においてグルタチオニル化を促進し、一酸化窒素産生の低下および冠血管攣縮に関与している可能性が示唆された。酸化ストレスによる冠血管攣縮の発生機構について未だ不明な点も多いが、本研究は冠攣縮性狭心症の治療および予防に有益な新知見となると考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)