Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度は以下の3つの研究を行った。①当研究室にて樹立したヒトiPS細胞をMEF細胞上より剥離し、胚様体形成を行った。分化誘導後16-40日目にて胚様体を回収し、CD34陽性細胞を分離してMS-5細胞上に播種し、 B細胞系への分化誘導を行った。MS-5細胞上への播種後4週間目にてB細胞マーカーであるCD19陽性細胞が極めて低効率(CD45陽性細胞中の1%以下)で検出された。この結果は予想した通り、遺伝子導入なしにヒトiPS細胞からB細胞系譜への分化誘導が困難であることを示すと考える。②申請書に示した候補遺伝子のうち、すでにクローニングできている遺伝子について臍帯血由来造血幹細胞に遺伝子導入を行い、リンパ球系細胞の分化能について確認を行った。まずEF1aプロモーターにて候補遺伝子が発現するレンチウイルスベクターを開発し、造血幹細胞に強制発現させたところ、リンパ球系細胞へ分化した細胞は確認できなかった。 次に上記の候補遺伝子をドキシサイクリン濃度依存的に発現させるレンチウイルスベクターを構築した。候補遺伝子の代わりに緑色蛍光タンパク質を発現誘導できるベクターをヒト臍帯静脈内皮細胞に導入してベクターの品質評価試験を行ったところ、ドキシサイクリン濃度依存的にGFPを発現誘導できることが確認された。現在は、臍帯血由来造血細胞やiPS細胞への導入条件の最適化を行っている。③我々は同時に造血幹細胞を含む血球系細胞への複数遺伝子を可能に高効率にする導入するベクターの開発を行った。我々は当研究室で新規開発した麻疹ウイルスベクターを用いて、これら血球系細胞への遺伝子導入を行った。5遺伝子搭載麻疹ウイルスベクターは造血幹・前駆細胞、B細胞系細胞へ8割以上の導入効率を示し、また安定的に5遺伝子の高い発現が確認できた。
All 2015 2014
All Presentation (3 results)