Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
炭素イオン線治療は、X線を用いた従来の放射線治療と比べ高い殺細胞効果を有しており、またX線抵抗性のがんに対しても有効であることが知られている。しかし、その生物学的効果に関して未だ解明されていない事も多い。本研究では、炭素イオン線が体の組織内を通過する際に発生する二次粒子に着目した。体表から近い位置に存在する腫瘍と体表から深い位置に存在する腫瘍を想定した場合における炭素イオン線照射モデルを構築し、同一線量を照射した場合に発生する二次粒子をシミュレーションすると、腫瘍が体表から深い位置に存在するモデルで増加することが分かった。そこで、これらの二次粒子が炭素イオン線の殺細胞効果に影響するかコロニー形成アッセイにて評価した。その結果、炭素イオン線照射にて発生する二次粒子は細胞生残率に影響を与えないことが分かった。一方、がん転移能に関わる細胞遊走能が二次粒子の増加に伴い亢進することが分かった。本研究により、炭素イオン線において同一線量を照射した場合、標的の位置によってがん細胞の遊走能が変化することが示された。
All 2014
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Nano Biomedicine
Volume: 6(1) Pages: 1-11
130004679864