Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
今年度は芳香環の触媒的直接的フッ素化を目標として研究を行った。本年度の研究実施計画の通り、チオフェン類の2位のフッ素化を行うべく、市販のフッ素化剤N-フルオロスルホンイミドを購入し、反応の検討を行った。多くの触媒はフッ素化に対して、不活性であったが、興味深いことにフルオロスルホンイミドのイミド部位が反応したチオフェンのイミド化体が得られることを見つけた。さらなる触媒系の検討の結果、窒素に隣接する位置にメチル基を持つ6、6’-ジメチル-2、2’-ビピリジルを配位子とする銅触媒を用いることで、イミド化体が良好な収率で生成した。新しく見つけた本反応系をさらに拡張することにより、チオフェン以外にもフランやオキサゾールのような五員環ヘテロ芳香環を良好な収率でイミド化することができた。さらに電子豊富な六員環ヘテロ芳香環のみならず、カフェイン、フラボン、シトロプテンといった天然物、ピレン、アントラセンといった多環芳香族炭化水素(PAH)、ボウル状分子のコラニュレン、そして機能性材料分子のポルフィリンを効率的に変換することが可能となった。本手法は従来行われていたアリールアミン合成とは全く異なり、多くの分子の炭素-水素結合を直接的に炭素-窒素結合に変換できる極めて有用な方法である。導入したイミド基はさらなる変換が可能であり、その応用範囲は生物活性分子の合成に加えて、新物性を有する機能性材料分子の創出まで幅広い。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of the American Chemical Society
Volume: 137 Issue: 7 Pages: 2460-2463
10.1021/ja5130012
http://synth.chem.nagoya-u.ac.jp/wordpress/?p=14245