水の結晶化ダイナミクスの統一的理解、反応経路の分岐と選択性
Project/Area Number |
26888011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
望月 建爾 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (40734554)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 氷 / 結晶化 / 相転移 / シミュレーション / 高圧 / プラスチック相 / 水素結合ネットワーク / オストワルド則 |
Outline of Annual Research Achievements |
氷は、温度・圧力に応じて、16 種類の結晶を形成する。これまでの研究では、氷I以外の結晶化過程は明らかになっていなかった。本研究は、氷I以外の結晶化過程を分子シミュレーションで再現し、そのメカニズムを明らかにする事を目的とした。本年度は、氷VIIの結晶化過程の詳細を明らかにすることができた。氷VII は、相図の最も広い面積を占め、液体領域と接している。酸素位置は、体心立方構造配置をし、水素は二つの独立な水素結合ネットワークを形成する。均一環境下において、乱雑な液体が、この非常に複雑な結晶構造を探し出す分子機構は、明らかではなかった。 本研究は、10GPa, 425K における氷 VIIの均質核生成を分子動力学シミュレーション(温度・圧力一定、分子数 15000)で再現した。水のポテンシャルは、TIP5Pモデルを用いた。初期配置・運動量が異なる 40本の結晶化トラジェクトリを得て、解析を行った。 エンタルピーの時間変化を調べたところ、氷VIIの結晶化が直接起こる場合と、段階的に起こる場合(オストワルド則)がある事を明らかにした。さらに、平均二乗変位と回転の自己相関関数の解析から、この準安定状態が結晶と液体の中間であるプラスチック相である事が分かった。プラスチック相では、酸素位置は固定されているが、水分子は自由に回転する事ができ水素位置は乱雑である。酸素だけに注目し構造解析を行った所、準安定氷の単位格子は 21分子で構成されており、これまで報告されていない新しい氷である事が分かった。以上、本研究は、氷VIIの結晶化経路には多様性があり、段階的に進む場合は、準安定氷を経由し、酸素位置の秩序化が起こったあと、水素結合ネットワークの形成が起こる事を明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)