Outline of Annual Research Achievements |
目的と方法 児童の自己評価を活性化させるためには、新たな視点や「気づき」を促すことが必要である。それには友だちの学習成果をみることや交流による相互評価が有効である。 本研究では、日常的な学習成果の共有・交流のため、Moodleとタブレット端末を導入する。Moodleとタブレット端末を活用した学習成果の共有・交流が、児童の新たな視点の獲得や「気づき」の促進につながるか、また児童の新たな視点の獲得や「気づき」が、客観的な自己評価の活性化につながるかを明らかにする。 実践は、小学5年生を対象に総合的な学習の時間で行った。詳細は以下の通りである。 1)総合的な学習において、「地域の身近な課題を設定し、課題解決への追究活動を行った。その後、タブレット端末を活用してプレゼンテーションの作成を行った。 2)Moodle上で、作成したプレゼンテーションの共有、交流による相互評価、自己評価を行った。 3)自己評価をもとに、新たな追究を加え、プレゼンテーションの改善を行った。 4)「課題追究から改善」のサイクルを繰り返し、完成したプレゼンテーションを学校集会で発表した。 5)Moodle活用の事前・事後に質問紙を実施し, Moodle活用による学習成果の共有や交流が、児童の「気づき」に有効か、またそれが客観的な自己評価に結びついたか検証した。 成果 Moodleとタブレット端末を活用することで、児童は自分だけでは気づかない他者の視点を取り込むことができた。これにより学習成果の改善が促進された。 質問紙調査の結果、児童はMoodleを活用した学習成果の共有・交流の活動に肯定的であり、自らの「気づき」が促進されたと実感できたことが分かった。児童の自己評価については、学習成果の共有・交流後の自己評価の方が、教員による客観評価に近い結果であった。学習成果の共有・交流が児童のより客観的な自己評価につながった可能性がある。
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