Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 本研究の目的は、環境教育を推進し, 再生可能エネルギーを利用する技術を感覚に障害を有する児童に伝えることにある。現在、児童がこのしくみを理解するためには、文章や視覚に訴える図画などの教材による学習が主流になっているため整備が必要である。そこで、再生可能エネルギーを様々な感覚で確認できる装置の制作を考えた。 2. 研究方法 (1) 再生可能エネルギー利用に関する先行研究を調査。官公庁, 都道府県, 電力会社のホームページなどから得た情報を児童に提供し, 今後のエネルギーのあり方について考察を行った。 (2) 発電のしくみを学ぶため, 中身が分かるように改良した電動機, 発電機, 受光装置を作成した。 (3) 発電した電流を測定するために, 感覚を駆使して電流量を体感できる測定ユニットを開発した。 (4) 開発した装置を用いて授業を実施し効果的な指導方法を考察した。 3. 研究成果 (1) 再生可能エネルギーに関する先行研究を調査することで, 視覚障害のある児童の見聞を広げるとともに学校での再生エネルギー利用に関する重要な手掛かりを得ることができた。 (2) 発電装置で作った電気を振動や温度などの感覚に変換する測定ユニットで, 発電した電気を感覚的に体験させ, 障害のある児童に発電のしくみを理解させることができた。 (3) 得られた技術を組み込んだ授業を公開したり, 日本視覚障害理科教育研究会で発表し, 概要を説明して新しい環境教育の方法を啓発することができた。 (4) 子供たちの環境保護への意識を高揚させ, 新たな視点で環境教育を推進することができた。
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