Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 工学部, 特に機械工学の技術者育成に際して「ものづくり教育」が重視されている. 「ものづくり教育」の実施にあたっては, 同一題材に対して設計・製図から加工までの一連の工程が完結した環境が理想であるが, 複雑な形状の加工には高額なNCマシーンを必要とすることから, 現状では設計と加工は別題材で行い, 加工工程の講義では簡単な加工例の紹介にとどまっている. このような設計と加工の不連続性は, 各工程から現実性を喪失させ, 結果として学生の興味を阻害する要因となっている. 最近, 比較的廉価な3Dプリンターが開発され, 材料や大きさは限られるが複雑な造形の加工が可能となった. 本研究では, 3D-CADと3Dプリンターを組み合わせて小型の低温度差スターリングエンジンを試作することにより, 設計から加工までを同一題材で行う実践的な「ものづくり教育」を試行する. 【研究方法】 3D-CADと3Dプリンターおよびマシニングセンターを使用して, 実践的な「ものづくり教育」を行う. 【研究成果】 本年度は3D-CADと3Dプリンターおよびマシニングセンターの導入を行った. 導入した機器は多面加工ができる5軸制御マシニングセンター(OKUMA・MU-400V)と最大造形サイズが幅254ミリ×奥行き254ミリ×高さ305ミリメートルの3Dプリンター(Stratasys・FORTUS 250mc)である. 本装置の技術習得とともに既存の3D-CADおよび3Dプリンターを組み合わせて, 具体的な「ものづくり教育」に関する試行を行った. また, 技術支援により研究装置を製作することで, 後述の研究成果に寄与した.
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