Project/Area Number |
26929019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奈良 克彦 東京大学, 医学部附属病院薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | シスプラチン / ハイドレーション / 輸液組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年4月1日から2014年3月31日の一年間に、東京大学医学部附属病院における入院化学療法でシスプラチンを含む化学療法レジメンを施行した患者を対象として、背景、臨床検査値、輸液組成について調査を行った。結果は対象症例337例であり、性別は男性/女性=199/138例、平均年齢60.5歳、癌腫は胃癌/食道癌/肺癌/頭頸部癌/子宮癌/泌尿器癌/骨肉腫/有棘細胞癌=132/25/46/68/39/21/4/2例、併用療法はティーエスワン/5-フルオロウラシル/ビノレルビン/エトポシド/ドセタキセル+5-フルオロウラシル/放射線/ブレオマイシン+エトポシド/イリノテカン/マイトマイシン+エトポシド/テラルビシン/カペシタビン/ゲムシタビン=110/27/20/31/33/35/4/19/11/4/22/21例であった。また、臨床検査値の平均値はAST/ALT/T-Bil/CLcr/Alb/CRP/Na/K/Cl=22/19/0.6/85.1/3.7/0.80/139/4.4/104、ハイドレーションメニューにおいて輸液量は5L未満/5~10L/10L以上=113/133/91、利尿剤は未使用/ラシックス/マンニトール/ラシックス+マンニトール=103/190/21/23例、Mgは有/無=130/207例であった。対象症例をGrade 1の腎障害陽性32症例/陰性305症例に分け背景因子の比較を行ったところ、腎障害陽性症例群において血清アルブミン値は有意に低値(3.5/3.8、p<0.05)であり、CRPは有意に高値(1.54/0.73、p<0.05)であった。このことから、血清アルブミン値が低値、CRPが高値の患者では腎障害発現リスクが高いことが示唆された。さらに、ハイドレーションメニューについても検討を行ったところ、マグネシウムの投与が腎障害を減らす要因として見いだされた。これらの結果から、栄養状態の悪化や炎症反応が無い状態で投与を行うこと、マグネシウムがハイドレーションに含有されていることがシスプラチンの腎障害の発現リスクを低下させることが示唆された。
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