Project/Area Number |
26931035
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 陽子 広島大学, 技術センター, 契約技術職員
|
Project Period (FY) |
2015
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 神経芽腫 / 癌幹細胞 / 腫瘍マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
神経芽腫は胎生期の神経堤細胞を由来とする小児の固形悪性腫瘍である。悪性度の高い神経芽腫において癌幹細胞の存在が提唱されているが同定には至っていない。我々はこれまでに神経芽腫細胞株のSK-N-SH細胞を用いて形質の違いによる3タイプの細胞群を分離確立し、1タイプ細胞群(癌幹細胞との関連が示唆されている)とその他の細胞群での網羅的な遺伝子および表面マーカーの発現様式の比較解析を行い、癌幹細胞同定のためのマーカー候補を選出し同定を進めてきたが、決定的なマーカーを絞り込むことができていなかった。そこで、本研究では、神経芽腫細胞株を追加して比較することで、癌幹細胞同定のための候補マーカーの絞り込みを行うこととした。 本研究では、不均一な細胞群を有する細胞株SK-N-SH、NH-12、NH-6を用い研究を進めた。癌幹細胞の特性の一つに分化能を有することがあげられるが、神経芽腫ではレチノイン酸で神経様の突起を伸ばす(分化性を示す)特性がある。この特性を利用し分化前(レチノイン酸なし)、分化後(レチノイン酸あり)で変動のあるマーカーとしてc-kitを見つけた。これまでの解析より癌幹細胞マーカー候補としていたCD44、CD133にc-kitを加えて、候補マーカーの有用性を検証したところ、CD44、CD133、c-kitのいずれも発現していない細胞群に比べるといずれか(あるいは複数)発現している細胞群では癌幹細胞様の特性が有意に高い結果が得られるが、癌幹細胞特異的な細胞群を得ることはできなかった。 そこで、これまでの研究で行った網羅的解析の結果を再度考察し、あらたな候補マーカーを選出した。その結果、CD24とCD184の両方を発現している細胞において、in vitroレベルで腫瘍形成能の更新が確認された。この2つマーカーに加えて、CD44、CD133を用いたところ、癌幹細胞様の細胞群をより絞り込める結果が得られており、今後、癌幹細胞マーカー決定のための解析をさらに進めたい。
|