遺伝子解析によるフォン・ヴィレブランド病の確定診断と分子病態解析
Project/Area Number |
26931056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三田 直美 名古屋大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 先天性疾患 / 遺伝子解析 / フォン・ヴィレブランド病 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : 先天性フォン・ヴィレブランド病(VWD)は多くは常染色体性優性遺伝形式をとる出血性素因であり、臨床症状として鼻出血などの粘膜出血、皮下出血から重篤な深部出血までバラエティに富んだ症状がみられる。VWDはその原因となるフォン・ヴィレブランド因子(VWF)の遺伝子が変異し、量的な産生低下または質的に異常な蛋白質が作られるために生じる。今回の研究ではVWD症例の遺伝子解析を実施し、我が国におけるVWD遺伝子異常データベースの将来的な構築も踏まえた分子病態情報の蓄積を目指した。 研究方法 : VWDを疑う患者からインフォームドコンセントを得た後、末梢血ゲノムDNAよりVWF遺伝子解析を行った。MLPA法により遺伝子欠失、挿入の有無を解析し、サンガーシークエンス法によりVWF遺伝子の塩基配列を解析した。今までに未報告の遺伝子変異が検出された場合は、患者の末梢血から採取した血管内皮前駆細胞(EPCs)を培養して得た血管内皮細胞(BOECs)を用い、免疫蛍光染色法やELISA法で遺伝子変異によるVWF発現の影響を調査して分子病態解析を行った。 研究成果 : 抗VWFインヒビターを発症した3型VWD患者のVWF遺伝子解析を行った結果、MLPA法では発端者のVWF遺伝子に大きな欠失や挿入は認められなかった。サンガーシークエンス法にて、発端者とその妹のexon41にc. 7021G>T(E2341X)、exon48にc. 7892-7893insA(Y2631X)と2つの新規遺伝子変異をそれぞれへテロ接合体で認めた。これらの遺伝子変異は未熟翻訳終了となり、患者BOECsを用いた免疫蛍光染色、ELISA解析においてVWFの発現は認められなかった。3型VWDの原因となる新規遺伝子変異を同定し、患者BOECsを用いて分子病態情報を得る事ができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)