Project/Area Number |
56570681
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
外科・放射線系歯学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
糟谷 政代 名古屋大学, 医学部, 助手 (20109325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 忠雄 名古屋大学, 医学部, 助手 (50135365)
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Project Period (FY) |
1981 – 1982
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1983)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1982: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1981: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 唇顎口蓋裂児 / 親子関係 / 児童期 |
Research Abstract |
児童期における唇顎口蓋裂児の親子関係を把握するため、E.S.SchaeferのPR-PBI親子関係診断テストを基に、新たに144項目(4因子;18尺度×8項目)の質問用紙を作成した。項目や尺度間などの信頼妥当性の検索はSASで、主因子解はVarimax法で、斜交解はPromax法で、因子構造の類似性はRotoplot法を使用し大型計算機で処理した。項目内容は1.親子関係の安定性と子供の情緒安定性に関する人格形成に基礎となるもの2.親子の一体感を表すもの3.親が子供の行動を統制し制約を加える側面を子供が認知するもの4.親が子供の自由と自立性を尊重する傾向を表すものから構成した。調査対象は児童期の唇顎口蓋裂児66人とその両親170人、健常児169人とその両親320人である。 〔結果〕;児童期の唇顎口蓋裂児と健常児の親子関係を比較した。1.唇顎口蓋裂児の父親と母親の養育態度は(1)子供を年齢より幼く扱い子供の代わりに何でもしてしまう傾向が強く、子供の発達に応じた自律性や自主性を促す傾向は少なかった。(2)子供の行動については批判をして否定する傾向が強かった。(3)子供の言葉についてはどんな話し方や発音をしていても注意や誤りを正すことは少なかった。2.唇顎口蓋裂児の両親の養育態度は同一方向性を示す相関は少なかった。3.唇顎口蓋裂児は母親が自分に接する養育態度について、(1)母親は子供を年齢より幼く扱い子供の行動については批判し否定している傾向が強い。(2)子供がのどんな話し方をしても訂正や注意はなくしつけは甘く過保護であると受け止めていた。4.母親の養育態度の認知については、母親と子供の認知の仕方は一致していた。以上の点より、基本的な社会規範を身につけさす「しつけ」が甘い養育態度であった。親の重要な役割である統制機能と保護機能が十分に働いていなく、子供の発達や人格に好ましくない影響を与えていることが示唆された。今後は子供たちの情緒面について検討したい。
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