洪水時における河川堤防の安全性と水防技術の評価に関する研究
Project/Area Number |
58020025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research in Natural Disasters
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村本 嘉雄 京都大学, 防災研, 教授 (50027223)
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Project Period (FY) |
1983 – 1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥41,000,000 (Direct Cost: ¥41,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥8,700,000 (Direct Cost: ¥8,700,000)
Fiscal Year 1984: ¥10,400,000 (Direct Cost: ¥10,400,000)
Fiscal Year 1983: ¥21,900,000 (Direct Cost: ¥21,900,000)
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Keywords | 河川堤防 / 洪水 / 破堤 / 水防技術 |
Research Abstract |
本研究では、洪水による被災堤防の要因分析、水防技術の変遷と現状分析ならびに浸透・越流・洗掘による破堤機構と破堤部の拡大過程およびそれらの防止軽減法に関する基礎研究を行うとともに、河川堤防の安全性と水防技術の評価の観点から総括的な考察を行った。 堤防災害の要因分析では、被災形態別に河道と堤体の諸条件の影響を検討し、被害軽微な堤防は粘土質で堤体漏水がなく、越流深・越水高がある限度以下で天端舖装のものに多いことが分った。つぎに、水防技術の分析では、明治以降の水防法制の整備・治水技術の進展等に伴って水防組織の縮少・弱体化が進行しており、地域間協力下の水防体制の必要性を指摘した。また、水防演習と洪水時の水防工法の累討から、破堤防止工の基本型と締切工法の工程の要点を明らかにした。 一方、破堤機構と防止工の研究では、まず浸透・漏水破堤について堤防の浸透解析、動態観測システムによる実測及び堤体の弾塑性変形のFEM解析から堤防の変形と安全性を説明するとともに、一次元・二次元のパイピング実験より進行性破壊の機構と月の輪工等の防止工の効果を明らかにした。次に、越流破堤については、越流浸食に対する法面勾配・土質・流量の影響と浸食速度の予測法を明らかにし、粘性土および薬剤注入による浸食防止工の適用性を示した。さらに、洗掘破堤については、側岸侵食と堤脚近傍の洗掘機構を水理学的解析から究明し、それに基づいて破堤危險度の評価指標と洗掘防止工の要点を提示した。一方、破堤部の拡大過程については、決壊口の形状と周辺水理を現地資料と実験から考察し、拡大過程と流入流量の予測法及び破堤部の拡大防止軽減法を提案した。最後に、河川堤防の安全性について、その定義ならびに非集計行動モデルによる堤防の安定性の評価法を提示するとともに、水防技術について、今日の役割と内水排除調整による水防施策及び水防工法の評価の視点を明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)