Research Project
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
本年度は、前年度からの課題である映像による街路空間の評価と、具体的な「快適化・活性化」の「計画手法」の検討、および総合評価の理論系の整備について検討し、最終研究年度としてのできる限りのとりまとめを目指した。以下に、それらを具体的に記す。(1)映像による街路空間の評価58年度のアンケート調査の被験者に対し、具体的に指定街路の現状写真を提示し、各街路ごとに代表例4例をピックアップさせ、それらについて改めて、街路の「環境質」について問い、アンケート調査によるデータとの比較を行った(なお、戸別訪問調査の性格上、ビデオ映像はこの場合利用しなかった)。(2)修景映像による計画手法の検討58年度以来対象としている5地区の街路から、各2本ずつ選んで、種々の「修景」を写真映像のモンタージュによって行い、修景前のものとの「評価」の違いを検討した。被験者は、(1)の200人と、本学学生40人(このうち半数は計画・設計に関わる専攻生)とであり、これらの結果から、街路空間の「快適化・活性化」のための有効な手法の示唆を得ることができた。(なお、ビデオ映像については、本学学生の調査実験の補助手段として、有効に活用した。)(3)総合評価の理論系の整備58年度の「社会心理的環境質に関する調査」で得られた有効な15指標、とりわけ、街路の景観計画上重要な「感覚」関連の5指標について、(1)の調査との関係でその整合性を検討し、〈認識・意識指標〉と〈評価指標〉による総合評価の妥当性を確認した。本年度の研究作業は、上述のとおりだが、これらデータの図表化、また学会誌用原稿としてのとりまとめの作業等は、残念ながら本年度中には全ては完了しなかった。併わせて成果報告書の完成を急ぎたい。
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