Project/Area Number |
59450021
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田原 音和 東北大, 教育学部, 教授 (30004104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 司 東北大学, 教育学部, 助手 (40142905)
佐藤 直由 東北大学, 教育学部, 助手 (00125569)
萩原 敏朗 東北大学, 教育学部, 助教授 (70004124)
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Project Period (FY) |
1984 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥7,500,000 (Direct Cost: ¥7,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1984: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 帝国大学 / 社会科学 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の一応のまとめと、今後の継続的な研究の展開をはかるための独自の資料作成とを、次の点に留意しておこなった。それは、(1)東京・京都・東北・九州の4帝大の文科系学部・講座の創設と展開過程の総括を試み、その特色の比較をおこなうこと、(2)各帝大における主要講座を事例として、教授の学問的系譜と人間継承をたどり、そこに各帝大相互の学問的・人的関係をつきあわせて、学問の制度化、定着過程の一面を明らかにすること、の二点である。これらの作業はなお未完の部分を残しているが、得られた知見から以下の点を摘記しておくことにする。 1.4帝大の文科系学部・講座の創設と展開過程については、まず法科、文科という二つの学部構成をとった東京・京都に体して、後発の東北・九州は法文学部という異なる学部構成となったが、講座・学科目構成では、京都は先行した東京の、後発の東北・九州は東京・京都両方の影響を受けて形式的には類似の構成となった。しかし、学部設置・講座設置の時間的ずれにおけるわが国の学問の急速な進展度に相応した、またそれによる学問の分化、専門化にも対応した独自性が、それぞれの帝大にみられ、そのことが学問的系譜・人的継承の違いによって異なる学風を育くむ素地ともなった。 2.学問的系譜・人的継承による「官学アカデミズム」の制度化の特徴を大学人のキャリアを明らかにすることによって探ることができるが、それを東北帝大の法文学部にみると、東京・京都出身の若才・異才の人材が採用され、独自の学風形成の一因となったこと、また担当講座の移動が多々みられるが、それは設置講座への形式的人材配置から人材配置による講座の実質化(専門的研究・教育の十全化、講座内容の明確化)であり、学問の制度化に連結したことが知られた。
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