Research Project
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
前年度組み上げたイメージアナライザーの駆動システムを使い、粒子分析用のシステムソフトを作製した。粒度分布のルーチンは前年度ほぼ完成したので、その補強と擬似カラーによるスライス表示、輝度レベルによる面積分類、その他付属ユティリティーを作製した。インターフェースには高速GP-IBを導入し、PC9801のハードディスクへの画像転送の高速化を行った。輝度レベルによる面積分類は、電子線バックスキャタ像、光学的顕微鏡像などを使って、鉱物相などの存在比を求めるのに使用するのが目的である。画像の照度ムラにより、隣りの濃度階へハミ出すのが最も大きな障害となった。このため、マニュアル方式でブラシペイントの手法で塗りつぶしを行い、異った濃度階へ移動させるようにした。ブラシの大きさ、形状、表示法などに注意を払った。また、濃度階を設定するため、カーソルを使いマニュアルで任意の画像点の濃度を連続的にとり込み、その濃度分布の統計をとるルーチンを加えた。他にカラーバーの作製ルーチン、画面へのキャラクタの書き込み、プリンタおよびファイル出力などの補助ルーチンを加えて完成した。このシステムの特徴は、各ステップで人間が介入して画像をマニュアルで修正できる点にある。かなり使い易いものが出来たと思っている。実際の使用例としては、浅間火山などの火山灰、岩屑流堆積物の粒度分布、変形した放散虫の形状測定から歪み量の測定、研磨および透過薄片上の鉱物相のモード分析などを行った。