Project/Area Number |
59850011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理計測・光学
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
松下 正 高エネルギー物理学研究所, その他, 助教授 (40092332)
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Project Period (FY) |
1984 – 1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥14,600,000 (Direct Cost: ¥14,600,000)
Fiscal Year 1985: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 1984: ¥9,500,000 (Direct Cost: ¥9,500,000)
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Keywords | EXAFS / X線吸収スペクトロメーター / 時分割測定 / 溶液反応 / ストップフロー装置 |
Research Abstract |
今年度は分散型X線吸収スペクトロメーターによる時分割EXAFS測定法を実用的なレベルまで完成度を高める努力を行った。 このために【◯!1】測定用ソフトウェアの改良、グラフィック機能の向上をはかり測定後即ちにスペクトルを表示することが可能となった。 また【◯!2】ストップフロウ装置のサンプルセル及び窓材について種々のテストを行いX線吸収が少なくかつ加圧による振動のないものを得ることができた。 次に【◯!3】固体内での拡散現象研究用の加熱装置の製作を行った。また【◯!4】より高速、高感度の測定を行うためにチャンネルプレート付つオトダイオードアレイの試作を行った。 ストップフロウ装置は完成度の高い状態まで到達し応用実験を開始した。 硝酸鉄(Fe【(NO_3)_3】)とチオ硫酸ナトリウム(【Na_2】【S_2】【O_3】)の反応では0.1秒の時間分解能で鉄K吸収端の化学シフト及びEXAFSの変化を観測することができた。 EXAFSのデータの解析の結果からこの反応では鉄イオンのまわりに配位している原子数が時間とともに減少することが解った。 硝酸鉄とハイドロキノンの反応では鉄K吸収端の化学シフトを25ミリ秒の時間分解能で観測することができた。 これらの知見は、これまでの可視光を用いたストップフロー法では得られないものであり本研究により新しい可能性が開かれたと言える。 当初の目標である時分割EXAFS測定法の実用化を行うことができた。 さらに応用範囲を広げるため固体試料用加熱炉を作制したが、加熱テスト及び予備的実験をおえ、これから種々の試料に適用してゆく段階にいたっている。 チャンネルプレート付検出器は予備的テストを完了した段階にあり今後より高感度、高時間分解能の実験に適用してゆく。
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